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PGCon 2009 参加レポート

Hitoshi Harada


2009 年 5 月 21 日~ 22 日にわたって開催された PGCon 2009 に参加してきました。PGCon とは世界中の PostgreSQL ユーザ・開発者が集まる一年で最も大きな PostgreSQL のイベントです。

例年日本からも多くの参加があるのですが、今年は不幸なことに新型インフルエンザの影響で直前に参加を取りやめたケースが多かったようです。結果日本からの参加は私一人だったということもあり、僭越ながらレポートを書いております。

PGCon 2009 は今年も例年通りオタワ大学で開催されました。カナダへ渡航したのは私にとってこれが初めてでしたので、北国というイメージもあり寒いかなと上着を持って行きましたが、まったくそんなことはなく、空気も乾燥しており非常に過ごしやすい気候のようです。

参加者はアメリカを初めとして、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、フィンランド、スペイン、スウェーデン、ロシア、エストニア、チェコなどから約 175 名が集まりました。

PostgreSQL 大学!

カンファレンスの様子 各セッションは大学の大部屋教室のような部屋で行われました。

始まるやいなや Twitter の #pgcon チャネルには「今どのセッションを聞いている」「この発表はもっとこうしたほうがよい」などの報告が流れます。もちろん Twitter だけでなく実際にもスピーカーに対して質問等が投げかけられ、プレゼンテーションを一時中断して議論が白熱するなど、日本とは違った発表スタイルが印象に残りました。

場所が大学の教室ということもあり、さながら「PostgreSQL 大学の集中講義授業」でした。

緊張の1日め

As a speaker

私は現在ベータリリース中の 8.4 にウィンドウ関数を実装したこともあり、初日の夕方に "Introducing Window Functions" というセッションを話す機会を得ました。

ウィンドウ関数は Let's Postgres でも紹介されて いますが、従来の集約処理を拡張したような仕組みで、OLAP(分析系アプリケーション)でよく使われる機能です。Oracle や DB2 などの商用データベースでは既に実装されており、SQL:2008 標準でも提案されています。

発表は、世界中で PostgreSQL のプレゼンテーションなどをしている David Fetter と二人で行うことになっていましたが、当日までろくに内容を打ち合わせることができずハラハラドキドキでした。しかし結果的には彼のすばらしい手助けのお陰で同セッションはスムーズに進行し、話したかったことを無事話すことができました。

ウィンドウ関数の概要や使い方などの主に利用者向けの説明と、内部処理や将来へ向けての改善点など主に開発者向けの話題について、一時間かけて説明しました。初めは眉をひそめて難しい顔をする聞き手も多かったのでかなり心配でしたが、やがて内部のかなり細かい説明に対してもプレゼンテーションの合間から質問が飛び交い、最後にはウィンドウ関数に対する関心の高さを感じました。

終了後やその日の夜の食事でも「この機能を待ちわびていた」と感謝される場面があり、改めてコミュニティに対する貢献を実感した一日でした。

As a listener

初日の発表で印象的だったのは、Robert Brewer による "Post Facto, version control for PostgreSQL" でした。

これは DB スキーマをバージョン管理する Post Facto というソフトウェアの紹介で、問題としているのは開発・テスト・QA・本番のそれぞれのステージで変更された DB スキーマを一元管理できていないというものです。スキーマ変更 SQL 文そのものをバージョン管理したり或いはスキーマに対する変更差分をパッチとして記録したりといった従来の手法に比べ、DB スキーマそのものを一元管理するという方法に基づいているため、かなり問題が改善されたということです。目の付け所が興味深いですね。

After party

初日の夜は EnterpriseDB 社提供の夕食がありました。大学から少しダウンタウンに行ったところにある居酒屋に参加者が一堂に会し、PostgreSQL をツマミにお酒を飲んだり食事をする機会です。初日の発表内容はもちろんのこと、最近の PostgreSQL コミュニティの話題や Oracle による Sun の買収の話など時事ネタも多くやりとりされていたようです。

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