PGCon2010参加レポート (チュートリアル編)
NTTオープンソースソフトウェアセンタ 勝俣 智成

2010年5月18日から21日にかけて開催されたPostgreSQLの開発者/ユーザが一同に介するカンファレンス(PGCon2010)に参加してきました。 PGConは年に一度行われるPostgreSQLコミュニティのビッグイベントで、今年で第5回目を迎えます。世界各国の人たちがおよそ150名ほど参加しており、日本からの参加者も私を含め10名ほどいました。
開催地はカナダの首都オタワです。記念すべきPostgreSQLの最初の国際カンファレンスは、PostgreSQLの最初の開発サーバが置かれていたカナダのトロントで開催されました。以降、カンファレンスの仕切り役であるDan Langille 氏により、"PGCon"としてオタワ大学を会場として毎年開催されています。
事前の情報では、5月でも厚手の上着が必要な印象ということでしたが、天候にも恵まれ、日向ではむしろ暑いくらいでした。
筆者は、カナダには初めて来たのですが、猫がいないのには驚きました。 ちなみにリスはたくさんいました。
PGCon2010の日程
PGCon2010の日程は4日間ありますが、前2日間がチュートリアル、後2日間がトーク (講演) という構成になっています。一般的なカンファレンスという意味では、3日目から開始になるでしょう。2日目には、チュートリアルの裏で開発者会議が実施されました。 開発者会議の模様は、次回のレポートでお伝えします。
- 1日目:チュートリアル-1
- 2日目:チュートリアル-2/開発者会議
- 3日目:トーク-1
- 4日目:トーク-2
チュートリアルはPostgreSQLについての基礎的な学習塾で、トークは新プロダクトや新規開発のコアな情報などの共有が図られるイメージです。今回のレポートでは、チュートリアルの2日間の印象をお伝えします。
チュートリアル1日目
チュートリアルは、2つのテーマを午前・午後で分けての講演されます。チュートリアルと言っても、講師が延々とレクチャーをするだけではありません。聴講者の方からも、経験や自身の考えを持って内容に対して賛同・反対を示すなど、非常に熱い議論が行われていました。 その流れで、より良い意見やアイデアが出てくることもあり、時には緊張感も漂う面白いチュートリアルでした。 一方で、初心者と思われる方からの初歩的な質問に対しても丁寧に解説していたり、まわりの有識者の人たちがフォローしあうなど、日本で行われる講演よりもアットホームで、「みんなで参加している」という意識が高いのだと感じました。
午前は、「No More Waiting - A Guide To PostgreSQL 9.0 -」というタイトルでRobert Treat氏によるPostgreSQL 9.0の新機能の紹介がありました。 この講演では「パフォーマンス」「DB管理」「DB開発」「関数」、そして目玉機能である「レプリケーション」という切り口で新機能を整理されていました。 なお、PostgreSQL 9.0に適用された新機能パッチは、204件に上るようです。 新しいPostgreSQLへの興味はやはり高いようで、たくさんの質問が飛び交うよいチュートリアルだったと思います。
午後は、「Server Health Check」というタイトルでJosh Berkus氏によるPostgreSQL運用時に確認すべき項目の解説でした。 DBの正常性確認の項目は多数に上るので、ひたすらチェックするべき点を聞いている感はありましたが、資料自体は総合的にまとめられているので、後から見てもためになります。 資料はここから入手可能です。
チュートリアル2日目
チュートリアル2日目も、2つのテーマの講演です。裏で開発者会議が実施されているので参加者は少ないのかと思いましたが、初日とさほど変わらない参加者数でした。
午前は、「Realistic Load Testing」というタイトルでZash Conrad氏によるPostgreSQL の負荷試験実施に関する講演です。 より実際のシステムに近い負荷をかけることが重要なのはよく分かるのですが、なかなか難しいですよね。その辺に触れていただけると個人的にうれしかったかも。 ちなみに、1日目に比べると難易度があがったせいか、質問は少なかった感じがしました。 (皆さんややお疲れ気味だった?)
午後は、「PostgreSQL Access Controls」というタイトルでStephen Frost氏によるPostgreSQL のアクセス制御についての解説でした。 講演者のStephen Frost は、1日目に大はしゃぎしていた (ツッコミをいれては喜んでました) ので、どんな講演になるかと思っていましたが、やるときはやるナイスガイでした。 講義内容も、既存のアクセス権管理に関する紹介だけでなく、9.0での新機能の紹介も含まれていたので、興味深く聴講することができました。
チュートリアルを終えて
チュートリアルということもあり普段PostgreSQLに馴染みのない方々にとってもわかりやすい内容だったと思います。 個人的には、お勉強がてらのチュートリアルでしたが、PostgreSQLの基礎知識を確認できるとともに、徐々に時差 (日本と13時間差) にも慣らすことができたので、よいウォーミングアップができたと思います。
(2010年6月9日公開)
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