PostgreSQL 超入門 第1回(2)
1.3 データベース管理システムはデータベースを守る
データベースに蓄積するデータは、一般に業務上重要なものが多いのです。そのため、システムの一部に不具合が発生したり、事故や災害にあってもデータを安全に守り、システムの運転が再開出来るようにしなければなりません。
ハードウェアが故障した場合には、修理したり新たなハードウェアを導入することで問題を解決することができます。プログラム類はそれほど頻繁に変更があるわけではないので、変更の都度安全な場所にコピーをとっておいて(バックアップ)、故障したらこのコピーを使って元に戻すことができます。
しかし、データベースの内容は時々刻々変更されていくので、最新の状態にデータベースを復元する機能をデータベース管理システムが持っています。データベース管理システムでは、サーバがクラッシュしても、次に運転する際にはデータベースを最新の状態に戻すことができます。仮にディスク装置などのハードウェアが故障しても、バックアップとその後の変更履歴を使ってデータベースを復元する手段がいろいろと提供されているのです(図1-2)。
1.4 データベースを使うと何人もの人が同時にデータベースを使える
データベースのアプリケーションでは、一つのアプリケーションプログラムがデータベースを占有することはほとんど考えられません。銀行のATMで隣の人が終わるまで自分が使うATMがまったく動かないのでは困ります。
データベース管理システムでは、複数のアプリケーションプログラムが同時にデータベースにデータを読み書きすることができるように、読み書きの交通整理を行っています。このため、いくつものアプリケーションプログラムが同時並行して実行できるのです(図1-3)。
次回はオープンソースの DBMS "PostgreSQL" について解説します。
用語集
- データベース管理システム:
- アプリケーションに代わってデータベースにデータを読み書きするためのソフトウェア
- データベース:
- 大量の情報をコンピュータシステム上で使えるように集めたもの。通常データベース管理システムを使って構築し、読み書きを行う
- アプリケーション:
- データベースの具体的な用途
- アプリケーションプログラム:
- アプリケーションを構成するプログラム。単にアプリケーションともいう
(2008年11月18日公開)