PostgreSQL9.5の新機能
日本PostgreSQLユーザ会 高塚 遥
PostgreSQL 9.5 は 2016年1月にリリースされました。本記事では、PostgreSQL9.5 の新機能の概要と外部参考資料の紹介をいたします。
9.5 新機能の概要
9.5では多数の性能改善、機能拡張が行われています。主要な点を以下に挙げます。すべての変更点は9.5のリリースノートに記載されています。
アプリケーション開発むけに以下の機能追加が行われています。
- INSERT .. ON CONFLICT 構文が追加されました。INSERT して既に該当行があったなら UPDATE するという処理が1命令で表現できます。
- 行単位セキュリティ制御がサポートされました。行ごとにロールに応じたアクセス制御が可能になります。
- 新たなインデックス方式 BRIN(Block Range Index)が追加されました。更新が少ない静的なデータに対して効率的なインデックスを構成できます。
- グルーピングの構文 GROUPING SETS、CUBE、ROLLUP に対応しました。
- 外部テーブルとテーブル継承との組み合わせがサポートされました。PostgreSQLだけで簡易なシャーディングが実現できます。
また、運用性を向上させる機能追加が行われています。
- pg_rewind コマンドが付属するようになりました。ストリーミングレプリケーションを運用する際に、WAL位置を巻き戻してデータベースクラスタを再利用することで、ベースバックアップ再取得を避けることができます。
- チェックポイントとWALセグメントファイルの制御方法が変更されました。より理解しやすい指定方法となります。
外部リンク
PostgreSQL 9.5 新機能の総合的な参考資料としては、以下がございます。
- 「PostgreSQL 9.5」の新機能 | Think IT(シンクイット)
- PostgreSQL 9.5 新機能検証結果 (日本ヒューレット・パッカード株式会社)
- PostGreSQL 9.5 検証レポート(SRA OSS, Inc.)
(2016年7月20日公開)